プロがちゃんと解説しないコーヒーのテースティング必須技術・カッピング手順解説(道具編)

カッピング

コーヒーをテースティングする準備をしましょう。用意するものは、

1.スペシャルティコーヒーの粉
2.カッピンググラス
3.沸騰したお湯
4.カッピングスプーン
5.タイマー
6.「ぺ」グラス

それぞれのアイテム解説の前に、カッピングの手順を書いてしまいます。

 1)コーヒー豆を粉にし、
 2)お湯を注ぎ、タイマーをセット
 3)3分待ち、
 4)ちょいとかきまぜ(ブレークという)、
 5)また3分待ち、
 6)あくを取り除いて、
 7)すすって評価(だいたい3分かけて行う)

という順番になります。カップラーメンをつくるときのノリですね。

アイテム解説
テースティングの目的は、
 A.フレーバーをキャッチする
 B.その情報がたくさんの人と共有できる

というふたつの重要な要素があります。

Aだけなら、独自基準を作ってもいいのですが、これではグルメおたくの独りワールドの域を出ませ ん。テースティングというからには、そこで得た情報が適切なレベルでほかの地域に住む人たちか らも認証・共有できていなければなりません。でないと世界基準の方法を使う意味がないですよね 。

そんな観点でそれぞれのアイテムを見ていくと。。。超めんどくさくなりますw
いちばんめんどくさいレベルで、ひとまず解説します。
抜け道案も書いてみますので、おつきあいください。

1.スペシャルティコーヒーの粉
粉は均一の大きさが望ましく、その大きさは「グラニュー糖大」を基本と考えればいいでしょう。しかし、、、世の中のコーヒー豆を削るミルは、ほとんどの機種でそれが達成できません。手動型 のミルはいちばん歓迎できないものです。これは、常に同じミル、同じ削り手順でやっていくしか ありません。挽き目を固定させるなどの自分なりのコードを作るしかないですね。

2.カッピンググラス
コードではそもそもグラスを使うはずで、その心は「器効果による味の劣化・変化をなるべく回避 する」ことにあります。飲み物というのは基本的に器によって味が変わる傾向があり、あたたかい ものほど顕著に出ます。コーヒーや紅茶のテースティングはガラスの器=グラスでやるのが一番で す。

味の変化、その影響度は、小さい順に、

ガラス
 ↓
磁器
 ↓
プラスチック
 ↓
陶器

となります。テースティングでは陶器で飲み物を入れるのがいちばんいけません、ということになります。

耐熱性の関係で、プラスチックはコーヒーのテースティングではほとんど使われることはないです が、磁器の器を公式にテースティングで用いている生産国や団体が多数存在しています。

磁器の器を使うと、、、最初の10分程度、芳香が強くたちのぼる成果を出しますが、それ以降は無 理をさせた分だけ劣化スピードが激しく、酸化臭を生み出す弊害もあります。「入れ物」を何にす るかで、実は初動の香り判別の方向性ががらりと変わります。磁器の器はそれでもいいほうですが 、焼成温度や釉薬のレベルによっては、香り成分が大きく劣化する効果を生み出すものもあり、注 意が必要です。これを公式に使われてしまうとは、トホホなものです。

カッピングに使うグラスは「カッピンググラス」と言っていますが、要はデュラレックスのピカル ディで、色々な雑貨屋さんで簡単に手に入るものです。

3.沸騰したお湯
コード上では「ミネラルウオーター」となってますが。。どんな水を使うかによって、当然ながら 味はまったくかわっていきます。いちばん簡単なのは、自宅の水道水を使うことですが、これでは ほかの地域に住む人と、フレーバー情報の共有が難しくなりがちです。

硬度30mg/L、ph値約7の軟水を使うことを基準にミネラルウオーターを使う、とすると、関東圏では
・六甲のおいしい水
・サントリー天然水
・森の水だより
・富山の天然水
・森の水だより日本アルプス

あたりを使うといいのでは、と思います。

水道水に浄水器をかけるケースなどもいいですが、成分分析の結果により、販売価格が高いもの(3 万円以上)のものならミネラルウオーターと同等の成果になると考えていいと思います。

沸騰させる器具は何を使うか、によっても味の変化が出がちです。いちばんNGなのは、鉄瓶で、コ ーヒーのタンニン成分に大きな影響を及ぼします。

経験則ですが、素材別に以下のようにランク付けしてみました。

ステンレス(18-8)やかん

ホーロー加工

フライパンに使われる各種特殊加工

品質レベル不明だが価格設定高めのステンレスやかん

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これ以下はNGだと思ってください
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アルミニウム

沸騰させる電気ケトル

低レベルステンレス

電気ポット

鉄瓶

意外に使われているのが沸騰したお湯を保温しておく電気ポットです。わかしたてのお湯を使わないと、酸素が逃げてしまうので味の変化に大きな影響を及ぼします。
また、「麦茶をつくった」などの「前科」があるものは、そもそもNGです。

4.カッピングスプーン
すするのに適した形にしたスプーンは、SCAA基準のものが妥当とされていますが、日本人にフィットしてるのはSCAJバージョンのものです(ただし、2000円と高額)。かといって廉価版を買うときにはステンレス18-8素材であるかどうかは、念のため確認すべき。

とはいえ、すすれればなんでもいいので、わたしは一般向けカッピング会ではなんと、プラスチック製のれんげを使っています。油脂分がこびりつく難点がありますが、2銘柄程度のカッピングならこれでも十分です。100円ショップなら6個セットとかで手に入ります。

5.タイマー
カウントダウンができるのはあたりまえですが、経過時間をカウントする機能もついていてこれらの作業をボタン1つあるいは2つのアクションで変更できるのがのぞましいです。
カッピング作業中にモード変更しますので。

先ほどのプロセスに、タイマーの使い方を加筆してみると、
1)コーヒー豆を粉にし、
2)お湯を注ぎ、タイマーをセット
3)3分待ち、
→3分をカウントダウン
→「終了」するとアラームが鳴ると思うので、それをリセット

4)ちょいとかきまぜ(ブレークという)、
→ブレークした瞬間に改めて3分のカウントダウン

5)また3分待ち、
→「終了」するとアラームが鳴ると思うので、それをリセット
→モード変更!今度は経過時間をカウントする!

6)あくを取り除いて、
7)すすって評価(だいたい3分かけて行う)
→はじめの3分でフレーバーを
→次の3分で甘味やボディを(4分経過~6分

となります。
カッピングの総時間は、すすりはじめまで6分、その後テースティングでだいたい6分使うことを目安に合計12分ということになります。これはペーパードリップのコーヒーがサーブされて、一口めをいただいてくつろいだくらいの時間経過と合致していますので、実際にカップとして楽しむときに感じる香味の特徴をとらえるという点で理にかなった時間経過である、と言えます。

さて、となると。。。どこかのテースティング大会では、「12分経過後」のフレーバーを取ることをされていますが、、、12分後のコーヒーは、フレーバーは出尽くしたあとの感が強く、かえって難しいかも、とツッコミを入れておきます。

6.「ぺ」グラス
すすったコーヒーは、基本的に飲み込まずに吐き出すので、それ用のものならなんでも可能です。女性の参加者がいるときは、透明なグラスではないほうがオサレ度は維持できるかな。

まとめ
国際標準で香味の情報を共有することが目的のひとつである、スペシャルティコーヒーのカッピングは、誰でも家庭ですぐにとりかかれるものです。その際に注意すべきは、

・粉の粒度を安定化させる
・お湯を沸騰させる環境は別のにおいがつかないよう心がける
・すする順番を理解したうえで時間管理をサクッと行えるように

という3つのポイントに気を付けます。それらはすべて、「世界とつながる」ことを意識してみるといいと思います。

スペシャルティコーヒーの香味を語るなら、ぜひとも取り組んでいただきたいカッピング。この技術習得を通じてフレーバー談義がたくさんのコーヒー好きとかわすことができれば、コーヒーライフはより楽しいものになると思います。

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