カッピング評価は、
A)粉の状態での香りについて
B)お湯を入れたときに出る香りの変化について
C)抽出が済んで酸味の特徴をはかることについて
と、大きくわけて3つの分野でそれぞれ評価をポイント化していきます。
[おさらい] カッピングについての基礎知識
コーヒーの風味や香味の理解を劇的にすすめたカッピングとは何か?
スペシャルティコーヒーのテースティング技術カッピングの評価項目と自宅でやるポイント
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カッピングをやりはじめて、いきなりポイントを付けられるものなのか?というと、そう簡単にできるものではありません。まず、これだけのチェック項目を、ひとすすりでポイントができるか、ということは想像に難くないですし。すする技術でまず大変。そして、ボディを感じる経験をつむことが必要になります。まあ、100回カッピングをやったら、これらのポイント付けは意識しはじめてよい、と思っておけば妥当かな、と思います。
ちなみにプロでは、7,8年かかるそうですが、これは世界の豆の味を知るための経験の積み重ね、という意味での7,8年ですから、基本的な銘柄をあてるのは、もっと短い、と思います。
さて、カッピングでの評価ポイントですが。
わたしはまず、「香味はどんな香りがするか?」に集中し、次にボディの強さとアフターテーストの強さに集中し、さいごに甘味と旨味をしっかりと確かめるという3段構えでカッピングをするようになりました。もう少し上達すると、10項目すべてがひとすすりでできるようになるのだと思います。
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ただ、カッピング手順では、
粉
↓
抽出中
↓
抽出後
と、3段階にタイムゾーンが分かれます。
この3つのゾーンそれぞれで取れる情報が違うため、カッピングノートは以下のような4項目に分けてわたしはノートを取るようにしています。
1.粉:粉の段階で湯を入れる前の状態
取れる情報:
A)豆の形状(例:ブルボンか、ティピカか。豆の大きさはどうか。ロースト度合い)
B)粉にしたときに感じる芳香
ロースト度合いは、家庭でやるカッピングのみの情報です。本当のカッピングでは、一定のロースト度合いの中でやりますが、市販の豆をカッピングする場合には、ロースト度合いによって、酸味をキャッチする難易度が変化します。ロースト度合いを見ておくと、その後のカッピングの難易度がある程度予測が付きますから、集中するポイントが無意識的に変化していきます。
2.ブレーク前:湯を入れてからブレークまで
取れる情報:
A)粉の状態から湯を入れて変化した芳香の内容
これはもちろん、時間経過とともに刻々と変化していきます。その変化しながら感じる香りの中で、知っている香りが出てくるか、ということです。
3.ブレーク後:ブレークしてからカッピング開始までの3分間
取れる情報:
A)ブレークした瞬間に感じる芳香
B)ブレーク後の芳香の変化
C)アクとりをしたときにどのくらい粉が浮いているか
粉がどのくらい浮いているか、というのは、ローストの深さに比例します。
4.フレーバー
取れる情報:
A)評価項目のほとんどの項目
ブレーク前、ブレーク後のチェックは、最後のフレーバー項目で行うカッピング本番の前哨戦みたいなもので、ここで感じる芳香の変化でまず過去の記憶からどんな豆かの傾向を絞り込んでいます。最初のうちは、なんだかわからないですが、データを積み上げていくと、変化のパターンというものがわかってくるのではないか、ということで続けています。
ま、とりあえずは経験値を重ねていこう、ですね。